集合住宅などの賃貸住宅を借りて、そこから引越しをされた方には経験があると思いますが、
賃貸借契約を終えて退室するさいは、お部屋を借りる前の状態に修復しなくてはなりません。
『原状回復』 といいます。
ちょっとした棚を造作で取り付けたとしても、退出時には撤去しなくてはなりません。
たとえ、次に借りる方が決まっていて、この棚は残しておいて。とお願いしてもです。
‥なんと もったいないこと。
賃貸集合住宅の仕事を始めた頃に抱いた、私の率直な感想です。
現在では、こういった不条理を解消すべく、DIY(do it yourself)型の賃貸借も認められ、
国交省からは、契約方法など指針も公開されています。ご興味の方は、ごらんください。
DIY型賃貸借の住宅は
入居者が自らリフォームに手を加え、原状回復の義務を負わない賃貸住宅です。
テナントさんと大家さん、そして地球環境的にも 好ましい契約だと思えます。
SOCIUS SOHO は、私個人が所有する賃貸集合住宅です。
建設当初、メゾネット形式の101号室はSOCIUSの事務所とするつもりでいたのですが、
熱烈に入居を希望される方々がおられ、テナントとして、お貸しすることになりました。
賃貸する条件として
(事務所と想定して、設置していなかった)浴槽と湯沸器の設備はテナントさんが工事して、
退室時にはそれら設備は置いていくこと。その後、何組かのテナントさんに入居していただき、
退室される度にチョットづつ何か付け加わってきています。
3年前に入居された方々に至っては、室内階段を撤去し、鉄骨階段に造り換えてしまいました。
(設計だけは、私の方で してさしあげましたが‥。)
こういった出来事は、建築といっしょに部屋も成長していくようで、大家としても楽しいこと。
DIY型で入居される方々は、その建築に愛着を持ったからこそ 入居されています。
愛着を持ってもらえる建築にすることこそ、大切ですね。
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