Blog

ブログ

THE TOKYO TOILET_レポート3



THE TOKYO TOILET
とかく「暗い・汚い」と敬遠される公共トイレ。それを著名クリエーターの
作品で変えていこうというユニークな取り組みが、東京渋谷区で進行中です。
その公共トイレを、実際にその場に行って・使って・考えてみる。
全17ヶ所の作品のうち9ヶ所のレポートを前回・前々回で おえました。

前回前々回

今回は、仕事でよく通る山手通り周辺の2ヶ所。
はじめて、車でのアクセスになりました。


□七号通り公園トイレ  佐藤カズー
  男子WC 小便器:2
  だれでもWC 大便器:1





打合せの帰り道で、偶然発見して立ち寄ってみました。
空から降りてきた宇宙船のような、白い球体の建築。素直にかっこいい。
この球体型には、空気の流れを生ませるという意味もあるそうです。

このトイレは、音声だけでも操作可能な「ボイスコマンド式非接触トイレ」
というコンセプトということでトライしてみました。QRコードを読込んで
アプリをDL‥と、実はうまくいきませんでした。私もアナログ世代だなぁ。
直前に使われていたご婦人と同じく、私は手動で違和感なく使用しました。
ボイスコマンドは、慣れた人や障害者の方には重宝なのかもしれない。

公共トイレほどではないにしても、私が仕事とする賃貸集合住宅の貸部屋も、
ある意味「公共空間」と いえなくもありません。
建物やお部屋を気に入ってとはいえ、入居される方(使う人)は不特定の人。
そんな、賃貸集合住宅の専用部を設計する上で、心がけている点のひとつが
「壊れる」(あるいは「壊される」)ということを前提に考えておくこと。 
もちろん、それは使う人に悪意がなかったとしても起こりえることです。
その際の対処や修復が容易でなくてはなりません。

それゆえ、機械仕掛け・電気仕掛けに対して、私は慎重派です。
「代々木深町小公園トイレ」と「はるのおがわコミュニティパークトイレ」
(坂茂さんの設計)を見学したさいにも、感じました。




□代々木八幡公衆トイレ  伊東豊雄
  男子WC 小便器:2 大便器:1
  女子WC 大便器:2
  だれでもWC 大便器:1


山手通りを通るたび、いつかお参りせねばと思っていた「代々木八幡」さま。
その足元、まるで山のキノコが生えたかのような、じつに愛らしい建築です。
神社の杜に、自然と溶け込んでいます。
「東三丁目公衆トイレ」(田村奈穂さんデザイン)は、ビビッとな色使いで
周囲のランドマークにならんとしていましたが、真逆の発想のようです。

訪れたときは、清掃中でした。
ここは使う人が多いのか、メンテナンスにご苦労されているようでした。









公共トイレ・レポート、次回も乞うご期待です。

Back to List